佐々木小世里の「ちょっとだけ弾んでみる?」

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五感にごちそう。

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昨日、シアターキノで「noma 、世界を変える料理」を観た。
北欧料理を確立したという若きシェフのドキュメンタリー。
キャビアではなく野花でグルメをうならすレストランとして
食の力でコペンハーゲンに人の流れを作った。

キノコや樹液を採取する生産者。ウニをとる漁師。シェフにインスピレーションをくれる食材の提供者は
どの人も趣味人。己の業をのまま、突き進むようなひとたち。そういう頑固な人たちが摘み取る物がすごくないわけがない。
そんな食材とともに、北欧の森の花や実がきらきらと皿を彩る。
どんな味なんだろう?意外ににおい立つようなおいしさは感じなかったけれど、食べてみたいと思った。

この映画で一番感じたのは、天才肌の感性をもつシェフ、レネの味をテーブルに運ぶには
その繊細な感性を的確に表現でき、時には鼓舞できるスタッフが必要だということ。
味覚や嗅覚、視覚などの五感は老眼鏡の度数のように細切れにランク分けされているように思う。
デジタルカメラの解像度にも似ているかもしれない。
1センチ角のスペースに9個の升目しか見えない場合と、25個の升目が見える場合の違いのように
味覚にも、きめ細やかな味わいをどのように感じとれるかが大きい。

だからといって「noma」は
真っ白なテーブルクロスに銀食器という格式ばったレストランではなく
スタッフたちは袖口からタトゥーを見せ放題。厨房のレネは「fuck 」の使い放題とおおらか〜な風が吹く。

既存の常識をぶちこわすこと。
だから、蟻まで皿にあがるのか?
ま、それはそうとして、とにかく、五感を磨きたいと思わせられた。
背伸びをして、上質といわれるものに触れることをしようと思う。
やっと、「わからないことに触れることが大事」と言った美術史の教授の言葉を呑み込めた気がする。






by koyopab | 2016-06-22 10:04